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「描く」の読み方は「かく」?「えがく」?【日本語勉強・違い】

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日本語を教えていて

授業中に「描く」という動詞が出てきた時、

多くの学生さんが「えがく」と読むんです。

 


確かに「描く」は「えがく」と読みます。

 


でも日本人の感覚からすると

『そこは「かく」って読んだほうがいいんじゃないの?

「えがく」だとちょっと違和感があるよ。』

となることが多いのも事実です。

 


じゃあ「描く」は全部「かく」と読むのか、

と言われると、それもおかしいんですよね。

 


「描く」を「かく」と読むのはどんな場合なのか。

そして、どんな場合に「えがく」と読むのか

 


ちゃんと読み方のルールがあるんです。

 


簡単ですので日本語学習者の皆さん、

ぜひ覚えてくださいね。

 

 

「描く」を「かく」と読む場合【日本語勉強・読み方の違い】


絵を描く、母の顔を描く、果物を描く、山を描く。


これらの「描く」は全て「かく」と読みます。

 


「かく」と読むのは、

目的語が「絵」の場合

目的語が「絵という表現方法で描かれる具体的な対象」の場合2つです。

 

「描く」を「かく」と読む場合①目的語が「絵」


目的語(「を描く」の「~」の部分)が

「絵」の場合

「描く」の読み方は「かく」です。

 


例えば、

絵を描く(かく)、母の絵を描く(かく)、山の絵を描く(かく)など。

 


この場合の「描く」の読み方は

絶対に「かく」です。

 

「えがく」とは読みません。

 

「描く」を「かく」と読む場合②目的語が「絵という表現方法で描かれる具体的な対象」

 


目的語

絵という表現方法で描かれる具体的な対象(物体)」の場合も、

「描く」の読み方は「かく」です。


「絵という表現方法で描かれる具体的な対象(物体)」とは何でしょうか。

 


難しく書いていますが、

「山の絵を描く(かく)」の「」のことです。


「山」は

「絵という表現方法で描かれる具体的な対象(物体)」です。

 


ですので、

山を描く」の「描く」も「かく」と読みます。

 

 

「描く」が「絵を描く」という意味で使われていて

描かれる対象が物体であれば

「描く」の読み方は全て「かく」となります。

 

 

母を描く(かく)、家を描く(かく)、船を描く(かく)などです。

 

これらの「描く」は全て

絵を描く」という意味です。

 


この場合の「描く」は

「かく」と読むのが自然ですが

「えがく」と読んでも間違いではありません。

 


ところで、

絵という表現方法を通して」

ということを強調したのには理由があります。

 


絵ではない表現方法(例えば映像文章など)

を使って表現する場合は、

「かく」ではなく「えがく」となるからです。

 


また、

具体的な対象(物体)」であることも

ポイントです。

 


抽象的なもの(例えば、気持ち雰囲気など)を

絵にすることもありますが、

その場合は「えがく」という方が自然だからです。

 


では、

その「えがく」と読む場合についてみていきましょう。

 

「描く」を「えがく」と読む場合【日本語勉強・読み方の違い】


「描く」を「えがく」と読むのは

先ほど述べたような

絵ではない表現方法(例えば映像や文章など)を使って表現する場合、

そして、

抽象的なものを表現する場合です。

 

「描く」を「えがく」と読む場合①絵ではない表現方法を使って表現する場合


絵ではない表現方法を使って表現する」とはどういうことでしょうか。

 


山を表現したい」と思ったら

絵を描く以外にも、

音楽映像文章などを使って表現できます。

 


つまり

絵以外の手段で山を表現するときに

「描く」は「えがく」と読まれます。

 


この場合は絶対に「えがく」です。

「かく」とは読まれません。

 


例文を挙げてみましょう。

 


この小説家は面白い人物の描き方(えがきかた)をする。


この歌詞は田舎の風景を描いた(えがいた)ものだ。


欲しいものを心に描いてみる(えがいてみる)

 

「描く」を「えがく」と読む場合②抽象的なものを表現する場合


「描く」を「えがく」と読む2つ目は

抽象的なものを表現する場合です。


表現の仕方は絵も含みます。

もちろん絵以外の全ての表現方法を含みます。

 


ポイントは「抽象的なもの」を表現する場合です。

 


例えば、

個性気持ち雰囲気など

物体ではないもの全てです。

 


例文をみていきましょう。

 


家族の暖かさ描いた(えがいた)映画を見た。


これは山の雄大さ描かれた(えがかれた)曲だ。


この絵には戦時中の悲惨さ描かれている(えがかれている)


主人公の心情の動きがうまく描かれた(えがかれた)小説だ。


10年後の未来を心に描く(えがく)