今回は日本語動詞「引っかかる」の意味と例文を解説します。
「引っかかる」の意味は大きく分けて3つ
(1)
何かにかかって途中で止まる。
①(物)ある方向へ向かっていたものが、ほかの物に引っかかり動きが止まる
②(人)ある場所へ行きたいけど、何かに捕まり、途中で時間がとられてしまう
(2)
不運なこと、アンラッキーなことになる。
①違反や問題が見つかってしまう(見つかってしまったので不運、アンラッキー)
違反していることを自覚している場合もあるし、自覚していない場合もあります。
②騙される
騙された側が「騙された」と思っていれば使えます。
騙した側は「騙した」という自覚がある場合もあるし、自覚がない場合もあります。
(3)
言葉や映像や人などが心に留まり、ずっと気になってしまう
「引っかかる」の例文
「引っかかる」の意味は大きく分けて3つ。
細かく分けると5つになります。
例文は5つに分けて紹介していきます。
「引っかかる」の例文(1)-①ある方向へ向かっていた物が、ほかの物に引っかかり動きが止まる
櫛(くし)で髪をといているが、髪が引っかかってとけない。
電気のコードに足が引っかかってこけてしまった。
爪がセーターに引っかかって取れない。
紙がプリンターの中で引っかかって出てこない。
テストの1問目で早速引っかかってしまった。
「引っかかる」の例文(1)-②(人)ある場所へ行きたいけど、何かに捕まり、途中で時間がとられてしまう
ICカードの感度が悪く、いつも改札で引っかかる。
週末は渋滞に引っかかりやすい。
隣のおばちゃんに会うといつも話が長くなる。今日もおばちゃんに引っかかって遅刻寸前だった。
今日は家から会社までの全部の信号に引っかかった。
「引っかかる」の例文(2)-②違反や問題が見つかってしまって不運、アンラッキー
ペットボトルの水を持っていたので、出国の手荷物検査で引っかかってしまった。
コップ半分のビールしか飲んでないので、大丈夫だろうと思って運転していたら、飲酒検査で引っかかってしまった。
健康診断で高血圧の項目に引っかかって、来週再検査を受ける羽目になった。
(「羽目になる」の意味・例文はこちら)
「引っかかる」の例文(2)-②騙されてしまって不運、アンラッキー
猫は賢くて、一回引っかかった罠にはなかなか引っかかってくれない。
最初は優しい人だと思ったが、付き合い始めて文句ばっかり言う人だと分かった。
しょうもない男に引っかかってしまった。
(彼女側は「こんな人だと思わなかった」と感じ、騙されたと思っている。彼氏側は騙したわけではない。)
悪徳商法に引っかかり、何十万円も無駄にしてしまった。
これは引っかけ問題です。
「お父さんカエルはケロケロケロケロ、お母さんカエルはケロケロ。 さて、子供はなんてなくでしょう?」
ここで、「ケロ」と答えた人は、この引っかけ問題に引っかかった人です。
答えは「鳴かない」。子供はおたまじゃくしだからです。
「引っかかる」の例文(3)言葉や映像や人などが心に留まり、ずっと気になってしまう
部下に「ご苦労さんです」と言われて、なんだかずっとその言葉が引っかかっている。
(「ご苦労さん」は上司が部下へ言う言葉です。部下から上司へ言うのは失礼です。部下は普通、「お疲れさま」と言います。)
彼女の最後の表情が引っかかっている。何か言いたいことがあったのかもしれない。
経験のある刑事は捜査中に引っかかったことがあれば、どんな小さなことでも追求し、事件解決に導く。
4月1日?今日何か大事な用事があったような気がする。4月1日と言う日付が何か引っかかる。…あ!結婚記念日だ!